別に北朝鮮のことを、特段気に掛けているわけではないんです。またHiroT-Blueは、北朝鮮問題を専門にしているわけでもありません。

 

でも、ネタに困ったとき、あるいは短時間で何かを書こうと思ったとき、常に絶好のネタを提供してくれるのが北朝鮮であることに、疑いはありません。このブログでNK(North Korea)モノが書かれている時、少なく見積もっても、その50%が手抜きであることは間違いありません。

 

で、北朝鮮。振り回せるものが、核兵器だけになってしまいました。振り回されても困るんだけど。

 

国連総会で、北朝鮮の人権状況を非難する決議が採択されましたが、これに対する北朝鮮の反応は、

 

「核問題と「人権問題」を口実としてDPRKを孤立および圧殺するための米国の激しさを増す政策に対処するために、DPRKは、先軍政治に従って、核抑止力を含む自衛的国防力を増大するであろう」

The DPRK will increase self-reliant national defence capacity including nuclear deterrent, pursuant to the Songun policy, to cope with the U.S. escalated policy to isolate and stifle it with the nuclear issue and the "human rights issue" as pretexts.

"DPRK Foreign Ministry Denounces U.S. Anti-DPRK "Human Rights" Racket" (KCNA)

http://www.kcna.co.jp/item/2005/200512/news12/20.htm#6

ちなみに北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)のホームページ、「kcna.co.jp」と、日本のドメインを使っています。

 

朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の終了(=北朝鮮への軽水炉供与の終了)についても、KCNAは、「米国が信頼の尺度である軽水炉建設を完全放棄したため、我々は黒鉛減速炉に基づく平和的核活動を強化する事業を瞬時も止めることが出来なくなった」(朝日新聞より)と表明しています。「瞬時も」だなんて、相変わらず大げさです。北朝鮮に「平和的核活動」なんてあるか??という突っ込みは、おそらくしてはならないのでしょう。北が言いたいのは、「軽水炉をよこせ、よこさないなら何かよこせ、それもよこさないなら核をやりまくるぞ」ということ。

 

はじめは、北朝鮮の「核」を使った恫喝に、みなギョッとしていました。でも最近では、「またか」といった感じになってきています。関係国も、(おそらく)意図的に、過剰反応しないどころか、無視を決め込んでいる。そのことで、北朝鮮の「核」カードが大して効いていないことを示そうというわけです。

 

無視されるのが嫌いな北朝鮮は、より一層「核」を振り回そうとする。周りの国は、ウザイと思いつつ、他にいい知恵もないので、とりあえず放置しておく。さらに北朝鮮は…というスパイラルにあるというのが現状です。これを打破するためには、北朝鮮としては、「脅し」のエスカレートをするしかない。当初は「核抑止力」といっていたのに、それが「核兵器の保有」へと言い振りを変えたこともその一つ。

 

そのエスカレートの手段も、限られています。核弾頭の公開、核実験の実施、核兵器やプルトニウムの輸出、とかでしょうか。でもこうした手段を実行するハードルは、非常に高い。米国のみならず、中国が黙っていないからです。

 

現状は、日米(韓)だけでなく、北朝鮮にとっても身動き取れない状況なのかもしれません。

 

 

そんななか、日朝政府間対話が、24~25日に開催されることになりました。北朝鮮、どういった態度で会合に臨むか、注目です。米朝間の状況が悪い中では、日朝間も、何かが大きく進展するという期待は、まずできないでしょう。ただ、少しでも前向きな姿勢である場合、現状の打開を日本経由で図れないかということを模索しているのかもしれません。どうなることでしょう。尻切れトンボですが、時間切れにつき、今日はこの辺で。