米国CSISの講演会(http://www.dpj.or.jp/seisaku/unei/BOX_UN0243.html )で、中国脅威を明言した民主党の前原代表。まさか、中国でも「中国脅威」というとは思わなかった。講演の内容を読んだわけではないので何とも言えないけど、とりあえず。


「前原代表「中国は軍事的脅威」…北京で講演」

 【北京=東武雄】民主党の前原代表は12日午前、北京市内の中国外交学院で講演した。

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 前原氏は中国の軍事力について、「17年連続して毎年10%以上国防予算を増やし、増強・近代化を進めている。実際には、中国政府が公表している2倍から3倍の軍事費が使われているのではないかとの指摘もある。特に空軍力、海軍力、ミサイル能力を中心として飛躍的に向上していることに対し、率直に(軍事的な)脅威を感じている」と述べ、懸念を示した。

 日本政府は、中国の軍事力増強について「注目していく必要がある」としているが、「脅威」という表現は使っておらず、前原代表の発言は、これよりも踏み込んだものだ。

 その上で、日本に食糧やエネルギー資源を運ぶシーレーンの防衛について、「日中双方が中東の石油に多くを依存している。共通の利益であるシーレーン防衛を他の沿岸国や関係国と共同で行うことを考えるべきだ」と述べ、中国も加えた多国間での枠組み作りが必要だと訴えた。

    (読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051212i104.htm?from=main1

  


冬のジョギングは寒い。耳が寒い。
ということで、                    

ニットキャップを買いました(映りが悪くてスマソ)。
耳まで隠れます(そのために買ったんだけど)。
「暑さを逃がし、寒さを防ぐ」生地を使っています(らしい)。
 

で、早速使ってみましたが、たしかにいい感じでした。耳が隠れるだけで、体感温度は全然違います。感動ものです。ジョギング終盤でも、たしかに頭が暑過ぎるとは感じませんでした。感動ものです。この冬、フル活用決定。

 

  

購入したのは、ART SPORTS 。ここにはジョギング&陸上競技専門のフロアがあり、いいものがそろっています。他の店も覘いてはみるのですが、ファッション性重視しすぎで、なんとなくしっくりこない。それに比べてART SPORTS には、走るのに最適なウェアやグッズがそろっています。ファッション性ももちろんありますが、機能をきわめて重視。現在使用中のウェアは、ほぼ全て、ここで購入しました。走りやすいです。大して速くもないのに、速く走れるような気がします。店員さんは、自分でもマラソンとか走るらしく、そのためウェア選びのアドバイスも的確です。

土曜日

きれいな青空でした

こどもも走り回っていました


猪口孝『国際政治の見方:9.11後の日本外交』(ちくま新書)

を読み始めています。

 

まだ出だしですが、面白い。

  

このなかで、国際的な激動と日本外交の展開を関係付ける概念として、「浸透可能な隔離」(グラムズ)という言葉を用いています。少々引用すると、

 

「日本の外国との交わり方は、良くいえば、用心深く、段階的であることが多い。悪くいえば、現状維持的で、惰性的である。国際政治の出来事が激震でも、このような仕組みのために、国内社会への衝撃を最小にする工夫と努力が何重にもある。歴史的に見ても、外国の影響は慎重に導入し、選択的に浸透させるのが普通である。古代日本国家創設時において、文字、武器、仏教そして制度が大陸から導入されたが、その浸透は選択的であり、多くの場合混交され、あるいは一時的なものに留まった。」(19頁)

 

たしかに。


(以下、感想文) 

こうしたかかわり方を可能にしたのは、日本の置かれた地理的要因だったのだろうと思います。いうまでもなく、日本は四方を海で囲まれており、アクセスは容易ではありません。陸続きの国家とは異なり、いろいろなものがダイレクトに入ってくるわけではない。変化や影響も、「海」というバッファーにより緩和されるので、取り立てて敏感になる必要がない。じわじわと日本に入ってくる間に、取捨選択できるし、いいところだけ取り出して混ぜくってしまうこともできる。「迅速に対応」する前に、「注意深く状況を判断する」ことができたわけです。

  

国民気質のようなものって、なかなか変わらないものだといいます。今でも、日本って、そうしたかかわり方をしていますよね。外国からは、「日本の決定は遅い」と言われ続けています。でも、少しずつでも変わらざるを得ない。「浸透」のスピードが、格段に速くなっているからです。インターネットは、その典型。世界の動きも、スピードアップしています。「注意深く状況を判断する」前に、「迅速に対応」しなければならない場面が確実に多くなっている。その分、「受け身」はとりずらくなるかもしれません。


HiroT-Blueはのー天気楽天家なので、「日本は、まあ何とかするんだろう」と思うわけですが、スピードを重視しつつ、インパクトを緩和するという、異なる2つの要素を組み合わせた外交が、今後ますます必要になるように思います。なんか漠然としすぎていますけど。

(感想文終わり)

 

 

 

まだ、256ページ中50ページ弱を読んだばかり。続きが楽しみです。

日本は毎年、国連総会に核軍縮決議案を提出し、採択されてきました。今年も、核軍縮決議案「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」は、国連本会議(12月8日)で、賛成168、反対2、棄権7で採択。

 

反対票を投じたのは米国とインド。中国、イスラエル、北朝鮮、パキスタン、ブータン、ミャンマー、キューバの7か国が棄権した。ロシアは欠席。新アジェンダ連合(NAC)のメンバー国(NZ、アイルランド、スウェーデン、エジプト、ブラジル、南アフリカ、メキシコ)、マルタ、及びイランの9カ国が、昨年は棄権したのに対し、本年は賛成票を投じた。

 

 
これまでの決議と比べて、短く、シンプルになっている印象です。「NACの賛成」は初めて、少し驚きです。

「イラク南部の豪軍、来年5月以降も撤退せず…豪首相」(読売)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051209it05.htm

 【シドニー支局】オーストラリアのハワード首相は9日、日本の自衛隊が駐留するサマワを含むイラク南部ムサンナ県に展開する豪軍450人について、「(これまで撤収時期として検討してきた)2006年5月以降も駐留することになろう」と述べた。

 地元ラジオのインタビューに答えた。自衛隊の派遣期間の1年延長が決定したことを受け、自衛隊が現地にとどまる限りは豪軍を撤退しないことを示唆した発言と見られる。

 豪軍は今年4月から同県に増派され、英軍とともに治安維持やイラク軍の訓練、自衛隊の安全確保にあたっている。

 

「英国や豪州も、来年5月ぐらいまでで撤退するかも」、という記事が出ていたのに、豪州は日本の態度を見て、方針を変えたのでしょうか。米国を見つつのチキンゲーム?

「マニラ」
http://ameblo.jp/hirot-blue/entry-10006852036.html
の続きです。

 

「北朝鮮核問題」に関するセッション。中国、韓国、北朝鮮の人がプレゼンテーションしました。もちろん、参加者が集中して聞いていたのが、北朝鮮のプレゼンでした。かいつまむと…

 

・ 南北関係は好転してきているのに、朝鮮半島の依然として不安定で緊張している。

・ 米国の現政権は、冷戦スタイルの古い考えで、北朝鮮に対して敵対的な政策を遂行している。南北関係の発展を阻害し、北朝鮮の政治システムを崩壊させるため、北朝鮮の孤立化や疲弊を図る政策をとっている。

・ 以下、米国がいかにして北朝鮮に侵略しようとしているかについての説明が続く:戦争計画の見直し、先制的な核攻撃、韓国との軍事演習…

・ 朝鮮半島の非核化は、北朝鮮だけでは達成できない:米国は、朝鮮半島から核兵器を撤去し、核戦争の脅威を除去し、北朝鮮が核兵器を作らざるを得ない原因を除去すべき

・ 解決は、「コミットメントとコミットメント」、「行動と行動」の原則で

・ 朝鮮半島非核化のための方法

   1)米国は敵対政策を放棄すべき:「北朝鮮人権法」とか、根拠のない不法なTransactionに対する制裁とか、はよヤメレ

   2)米朝間の信頼醸成:軽水炉(原子力発電)の提供は、信頼構築の物理的基礎だから、早よくれ

   3)朝鮮半島に、新しい平和保障システムを構築すべき

 

ついでに別のセッションでは、「PSI(拡散に対する安全保障構想)は、米国を孤立化させるためのもの」だと主張していました。

 

第4、5回の6者会合では、北朝鮮が急に強気になっていろいろ主張したり、求めたりしています。特に米国に対しては、在韓米軍から核を撤去すべきとか(1991年に撤去されていますが)、在韓米軍を査察させろとか、韓国に提供している核の傘を取り払え、とか……。

 

そういえば、これらの主張は、1990年代初めに北朝鮮が行ってきたもの。その後見かけなくなりましたが、ここへ来て、復活したようです。というか、最近の北朝鮮は、これまで要求してきたことを、一気にまとめて要求していますね。それらすべてが実現するわけではないことは、北朝鮮も分かっていると思いますが、ここぞとばかりに外交攻勢に出ていることは間違いない。

 

北朝鮮を強気にしているのは、米国のパワーの低下なのでしょう。イラクで苦しみ、ハリケーンにかき回され、ブッシュ政権の内政は窮地に陥っています。米国が北朝鮮に軍事行動をとる余裕は全くない。中東を何とかしたい⇒⇒北朝鮮問題は、とりあえず現状からの悪化を避けるだけで精一杯、というのが、米国の本音のように思われます。

 

だからこそ、第4回の6者会合では、米国も「共同宣言」の成立を強く必要としたし、「軽水炉」の文言が「共同宣言」に盛り込まれることに、最終的には同意せざるを得なかったのでしょう。「軽水炉」の問題については稿を改めたいと思いますが、これが書き込まれたことに、北朝鮮は驚き、また非常に喜んだことは容易に想像できます。米国の足元をみた北朝鮮は、いよいよその外交攻勢を強めてきています

 

北朝鮮、タフです。このゲームは、まだまだ続きます。そしてその間、北の核兵器能力は増強されていきます。米国の研究者の推計では、北朝鮮は現在、6~8発分の核兵器を作れるだけのプルトニウムを持ち、年・1発分のプルトニウムを生産できると見られています。また建設中の50MW原子炉が完成すれば、年・10発分程度のプルトニウムが生産されると考えられています。

  注)カーネギー財団主催シンポジウムでのヘッカー(スタンフォード大)のプレゼンテーション(PDF)
    http://www.carnegieendowment.org/static/npp/2005conference/presentations/hecker.pdf

 

小泉政権も来年9月末までだし、ポスト小泉政権が、北朝鮮問題の解決に小泉程度に熱心になるという保証はない。米国の中間選挙も来年。それ以降はブッシュ政権はレームダックになり、多分、北朝鮮の問題なんて、どうでもよくなるでしょう(内政&中東重視)。とりあえず来年中に、何らかの解決の道筋をつけ、少なくとも北朝鮮の核開発を凍結に持ち込まないと……。でも、厳しいなあ。手詰まりです。

8月15日に比べて、12月8日は影が薄いな~
と、思いません?

 

こどもの頃、別に真剣に考えていたわけではありませんが、「戦争が終わった日」には毎年大騒ぎするくせに、なんで「戦争を始めた日」にはイベントとかないんだろう、ということが、なんとなく引っかかっていました。

 

日本人は今でも、第二次大戦以前の行為に責任がある」、「日本人は反省すべき」という一部の方々の主張には、与することはできません。少なくとも「私」は、責任を負わなければならないようなことは、一切行っていない。それを「反省しろ」と言われても、どう考えても筋違いですよね。たしかに、日本は「国家」として責任を負い、それを反省しなければならないけれど――そして実際に責任を負い、反省も繰り返してきたけれど――、それは戦犯などを除き、責任や反省は、「人」、とくに戦争に全く関わっていない「人」に課されるものでは断じてあり得ない

 

けども、日本人にはおそらく、戦争において、日本や日本人が何をしてきたかについて知ろうとするという義務はあるような気がします。もちろん歴史は多分に主観が込められるものだし、「他国から押し付けられた事実」をそのまま受け入れる必要もないけど、過去に何が起き(たらしく)、日本や他の国は何を事実と(しようと)しているかは、少しは、かじっておくべきなのではないか。そしてそれは、中国や韓国などのためではなく、日本の将来のために必要なことだと思います。

 

1941年12月8日、日本は、真珠湾とマレー半島を攻撃しました。そこに至るまでに、何があったのか。日本はどこで何を間違ったのか。なぜ開戦の決定を下したのか。そこから、日本が二度と無駄な――という言葉が強すぎれば大義に欠ける――戦争をしないための教訓が引き出されるのではないか。戦争の成否は、開戦時にほぼ決まっている――ベトナム戦争も、湾岸戦争も、イラク戦争も多分そうだった――とすれば、戦争を開始した12月8日は、日本の今後を考える上でも大事な日だし、たまにはそうしたことを考えていい日だと思うし、それにしては、やっぱり今年も、扱いが軽すぎるような気がします。

 

ということで、「こどもの頃の自分」に、答えてみました。

先日、大量破壊兵器の不拡散に関してアジア太平洋地域の役人や学者などが集まる会議に出席するため、マニラに行ってきました。 

 

クリスマスシーズン。ということで、成田発のJALは、帰省するフィリピン人でいっぱいでした。おかげで、HiroT-Blueのチケットは、オーバーブッキングになってしまったようで、ビジネスにアップグレードしてもらいました^ ^) 久しぶりのビジネスシート。やはりエコノミーよりだんぜん楽ですね。シャンパン、3杯もおかわりしてしまいました。

 

マニラは初訪問。深夜に到着し、翌日から2日間の会議。朝食から会議を経て夕食に至るまで同じホテルで行われ、マニラ発も早朝。最終日に他の出席者とともに近くのバーに飲みに行ったものの、ホテル周辺はビジネス街とのことで繁華街からは離れているらしく、街を出歩く時間はなく、TVでみるような「マニラらしい」風景(どんなんや?)にも結局出会えずじまいでした。まあ、出会えたところで、ノミの心臓のHiroT-Blueは、どうせ何にもできないんだけど(かみさんも怖いし、病気も怖いし)…。

 

会議はいくつかセッションに分かれていましたが、その中でおそらく多くの出席者の注目は、北朝鮮の参加者が何を話すか、ということでした。結論から言うと、特段びっくりするような発言はありませんでしたが、最近の北朝鮮の外交姿勢を反映する中身だったという意味では、まあ面白かったと思います。遅くなるかもしれませんが、後でまとめてみようと思います。

 

にしても、マニラは暖かかったです。時折スコールもあり、やはり熱帯。「南にいくほど車の運転が荒くなる」というのが自説なのですが、フィリピン人の運転も、かなり荒かった^ ^ 車線とか無視して走っているし、クラクション鳴らしまくり、パッシングしまくりだし。ノミの心臓のHiroT-Blueは、マニラでは車は運転できなさそうです。

黒澤満編『軍縮問題入門』(東信堂)  

            (Amazonにとびます)

 

更新がストップした後の9月に出版されました。私も、少々書いています。軍備管理・軍縮・不拡散といった問題を、わかりやすく説明した、教科書のような本です。書店で見かけたら、眺めてみてください。

 

ということで、宣伝まで。